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月別アーカイブ: 2022年1月

まん防で1月は終了!?第3者認証店で別れる函館市内飲食業

こんばんわ。

1/21に北海道が国にまん延防止等重点措置を申請しました。

函館市内飲食店には耳が痛い話題ですが昨今のオミクロン株の急激な感染拡大に歯止めをかけるには必要な措置なのでしょう。発出されたならN2も時短要請に従います

その中でニュースでたびたび出てきていた第3者認証制度。前回の緊急事態宣言明けから行われている第3者からの認証を受けた店は感染対策が施されている店舗として制限の緩和がされるとのこと。N2は自前でビニールカーテンやアルコール消毒液の設置をしていますが

うっかり(?)第3者認証を申請していませんでした。

これでは認証店に後れを取ってしまう!と思い少し調べたので第3者認証の説明と所見を中心に書いていきますが、途中から「非認証のままの方が良いのではないか?(呆れ)」とも思うようになりました。その辺も交えて書いていきます。

第3者認証とはそもそも何?

正式名称は

北海道飲食店感染防止対策認証制度

道内のコロナで特に被害を受けた飲食店が自店の感染防止対策を第3者に確認してもらい、安全なお店作りに生かすとともに、利用者に感染対策はばっちりです。ここ!といったアピールが出来る利点があります。

初めて入る店や外から店内が見えない店舗はそれだけで安心感が出ますので、どこもやってないから入ってみた店がノーマスクで客やスタッフがわいわい騒いでいたという地獄のような状況を回避できる確率が上がります。

おそらく、道や市の支援金の受給条件に、現状どんな感染予防対策をしているか、新北海道スタイルに沿って感染対策に努めるといったものがあったので、今までしっかり行ってる店は難なく認証が受けられると思っています

また、認証店は飲食店の情報サイトで公表されており、独自のマップも用意されているので広く安全だということがアピールできる体制になっています。

ただ、当店もそうですがやっていない店もあります。公式サイトによると全道の飲食店の1/3が申請中とのことですが裏を返せば2/3が未申請ということになります。

コロナ対策としてメリットしかないこの制度ですが、認証が進まない理由を経営者目線で書いていきます。

なぜメリットを享受しない店が多いのか

認証制度の良い点は上げましたが、「正直な」難点もあります。誰に怒られることもない(はず)ので、申請したらあっさり通るであろうという前提の上で、未申請の身として申請しない理由を挙げていきます。

・認証を受けるメリットが薄い

これは飲食を続けていたらわかるのですが、今の日本で感染症対策を実施していない店の方が少ないほどこの1、2年で衛生管理についてはしっかり行う様になりました。今更第3者から認証を受けずとも当然のように感染防止対策はされているのでわざわざ認証店と掲げる必要が薄いのです。

また、実際に見にいきましたが、グルメ情報サイトぐるなびには「認証店舗」として掲載されたり、コロナ対策認証店マップにピンがつくわけですが

ぐるなびは認証店掲載というだけでピックアップされてないし、肝心の感染症対策で何を特段行っているのかわからないので、非認証店と差別化できていない状態になっています。

マップに関しては精度が低すぎてピンポイントでわからない。N2の住所である杉並町の他店は3店舗登録していましたが、登録数が少ないからかタップしても認識されないというポンコツぶり(笑)

お役所仕事といえばそれまでですが、認証店が非認証店と比べて爆発的に人が入っているということは確実に言えません。

・手間がかかる

これは個人的なだらしなさですが、もう諸々の申請疲れです(笑)

支援金や補助金といったお金絡みの申請はしなければ自身の生活やお店の運営に関わってくるので必死に資料集めたり写真を撮ったりしましたが、金銭の絡まないこの認証制度の申請ははっきり言って面倒なだけでした。

認証を受けるために第3者が確認する作業もありますので、電話一本で確認が済まないのは時間を取られます。

・公平感が薄いどころか悪い

現在分かる範囲のまん防の内容ですが

1/24~2/13まで

飲食店は時短営業を要請し

認証店はお酒を提供せずに20時までの営業かお酒の提供は20時までで21時まで営業のどちらかを選択できます。

一方、非認証店は酒類の提供禁止で20時までしか営業出来ません。

ここまでは緊急事態宣言下の時短要請に似ていますね。ですが、沖縄で問題になった支援金の額なのですが

認証店でお酒を提供して21時まで営業を行ったら1日当たり下限25000円~75000円。

お酒を提供せず20時までの営業か非認証店は下限30000円~10万円が協力事業者に給付されます。

N2のような夜間営業のBarはもろに影響が出る時短営業ですが、非認証店の方が認証店より1日当たりの支援金の下限が高くなっています。これが沖縄で実施されたまん防の現実です。お酒を提供できて1時間長く営業できるのなら割に合うかとも思いますが

まん防により客足が鈍った状態では1時間延びてお酒が出せたとしても差を埋めることは難しいと思います。北海道もこれを踏襲するのかはわかりませんが、沖縄では当然不満が噴出し、認証を取り下げたいというわけのわからない申請が沖縄の飲食店から続出したとのことです。

これでは店によっては「認証を受けていることがデメリット」となる悪手中の悪手です。

面倒で認証を受けていなかったお店が認証を受けた店舗より多く支援されるなら認証店のモチベーションも下がってしまうでしょう。コロナで一番痛感したのは休業補填があればいくらでも経済は止まること。そして止めてから再び歩き出すには事業者のモチベーションが一番大事だということです。

直接的な支援金やクーポンでの消費促進も非常に助かりますが、「事業を続けたくなるように地域を盛り上げる」ことに欠けたら事業者は撤退を選ぶかも知れませんね。

意外と律儀な函館の事業者

これはただの感想ですが、昨今の休業要請期間では函館の本町はシャッターが降りたゴーストタウンと化し、夜は灯りが落ち、本町を行き交う車すらありませんでした。函館市民は平時は酒を飲んでうるさく騒いでTHE浜育ちという田舎臭いけど男気溢れる人情の街だと思っていましたが

ものの見事に休業の波に乗っているのが意外と律儀だな~と感じてお客様と話していました。コロナなんて関係ねーと言わんばかりにフル営業する人は見事にいなかったか私の耳まで届かなかったですね。

未知の感染症でリスクは当然ありますし、どんなパッシングを受けるか想像に難くないですが、コロナ禍でも増収増益している飲食店ももちろんあり、時短、休業を経て学ぶことや考える時間はあったはず。

落ちた函館経済をコロナ前に戻すことしかできないなら本当に函館の事業者は危ないと思います。

律儀に休業や時短をしても、空いた時間はyoutubeみて飯食って寝るだけなら淘汰の連鎖が広がるだけ。律義さは事業継続のためのパワーに回し、危機感を持ってこの期間を乗り越えて明るい春を迎えたいですね。

まとめ

第3者認証と時短営業について書きました。

制度の弱点を突いてる意地悪ブロガーに感じますが悪い部分を認識することも事業者には大事ですし、何かわからない制度に安易に登録するのも問題です。今回の認証制度の支援金の差は後付けでの事案ですが、認証店側がしっかりメリットを享受できないと不公平感が広がり、制度自体の是非を問われかねません。

時短営業は避けられない飲食業ですがお酒は腐らないのがBarの大きな利点!時短期間が明ければ人によっては楽しいバレンタインが待っています!N2もチョコレートカクテルでバレンタインに向けた準備を進めることとして、明けの月曜日のまん防情報に注目していきます。

KENZO ESTATE 辻本憲三氏に学ぶワインと娯楽の流儀

明けましておめでとうございます!

N2として歩いた3年目の2021年も間もなく終わり、2022年が始まりました!

コロナ禍が続き、経営は切迫し、疲弊し、壁にぶち当たることが多かった年でしたが、新たな出会いに恵まれて年の瀬を安堵して過ごしていました

これもひとえにご贔屓してくださるあなかのおかげです。本当にありがとうございます。

しかし、肝心の売り上げは約50減。もともと流行り店でもなく、コロナ禍で減収はかなりきついはずですがなぜかお金回りは今年の方が良かったりしました。国や自治体からの支援のおかげもありますし、副業にも精を出していました。

コロナ禍自体はまだまだ続くでしょうがWithコロナでイベント各種も開催できる状況まで回復したので2022年が本当の始まりな気がしています。

さて、表題のワインですが最近入荷したナパヴァレーの超有名ワイナリーのKENZO ESTATE(以下、ケンゾーエステート) 柴鈴です。

こちらは日本人が作ったワイナリーで栽培しているぶどうで出来たワインなのですが、商品紹介でケンゾーエステートと創設者の辻本憲三氏に触れるうちにテンションが上がったのでこの記事を書いています。

今回購入した紫鈴(rindo)は非常にバランスの良い飲み口で繊細なタンニンとプラムやベリーを思わせる赤色果実味が高級感を際立たせます。ANA国際線ファーストクラスや豪華客船「飛鳥Ⅱ」のワインとして選ばれるなど国内での評価も高いこの赤ワインはどのようにして作られたのかをひとつのテーマである

「商魂」・・・商売をうまくやって儲けようとする気構えという意味

を絡めて書いていきます。私も含め函館人に圧倒的に足りない要素だと思います。

・・・と今回も最終的には爆弾投下しそうな記事は今度書くとして(笑)経営者の方もそうでない方もためになる内容を心がけていきます!

辻本憲三氏とは

まず、辻本憲三氏(以下、辻本氏)についての説明ですが、知らない人の方が少ないであろうゲーム会社のカプコンの会長兼CEOという個人でWikipediaが作られるほどの偉大な方です。

1998年。アミューズメント事業にすでに成功していたカプコンですがユーザーをインドアに偏らないようにという思いから購入したアメリカの地でワイン栽培の適正を見出し、ワイン事業に情熱を傾けていくことになります。

アメリカで買った土地は実質手つかずに近い状態だったということですが商魂たくましい辻本氏は自身も親しんだナパワインを日本に広めたいという思いからワイナリー作りに取り組むことになります。

素晴らしい発想と資金力の成せる業ですが、お金持ちの道楽で終わらないのがすごいところです。以前のブログにも書きましたが函館にも有名ワイナリーが畑作りを始めています。

箱館醸造の「郷宝」、五稜乃蔵の酒蔵と函館はお酒ブームに沸いているといっても過言ではありません。函館のワイン人口は少ないと感じていますが、乗るっきゃない、このビックウェーブに!

さて、話を戻して辻本氏のケンゾーエステートは広大なブドウ畑と醸造所、ケイブ(天然のワインセラー)、テイスティング棟だけの決して華美ではない施設でも、その品質から世界トップ100のワイナリーとして評価されるに至っています。

ワイナリーの自然環境こそがワイン作りの主役である。(KENZO ESTATE公式HP)

という哲学から作られるワインは日本だけならず世界でも愛されています。

そして一番感銘を受けた言葉がこちら

凡庸なワインか、世界最高峰のワインか

ワインもゲームと同じで生活に不可欠なものではない。だからこそ、一番いいものを作らないと見向きされなくなる。

辻本氏の根底にあるであろうこのNo1を目指す商魂が今のケンゾーエステートの評価に繋がっていると感じました。

世界中に愛されるナパワイン

カリフォルニア州に存在するナパヴァレーというとアメリカでも有数のワイン生産地です。

ナパ川が西部のマヤカマス山脈と東部のヴァカ山脈を侵食して出来た渓谷地帯で、火山の噴火の影響で山の斜面と底面で様々な土壌が混在する地域です。

ブドウ作りには土壌、気候、日照時間など多くの条件が必要でどこでも栽培できるものではありません。

専門的になってしまいましたが、日本人だけでなく世界中のワイン生産者が注目するかの地で出来るカベルネ・ソーヴィニヨンは最高級の品質で、生産者は辻本氏やXJAPANのYOSIKI氏、あまりにも有名なワイン界の重鎮がタッグを組んで作ったオーパスワンが名を連ねます。

すでに世界的にもカリフォルニアワインで有名だったアメリカワイン界ですが、その広大な土地にはワイン生産地として果てしない可能性がありました、ある種、ワイナリーのゴールドラッシュと言えますね(笑)

しかしケンゾーエステートも開墾3年にして初めてブドウを収穫しますが、そのブドウが世に出ることはありませんでした。

より良いものをつくるために

アメリカの天才的栽培家がケンゾーエステートを訪れたとき、その計り知れない可能性を感じるとともに、畑が完璧ではないことを看破したのです。

その栽培家にチームに加わってくれないかと打診した辻本氏に栽培家から言われた条件が

「全ての樹を引き抜き、畑を0から作り直すこと」

人の人生にリセットボタンはないと良く言いますが、ぶどうはリセットがききます、3年間一生懸命耕した畑をよりよくするため、辻本氏は条件を呑んで畑を1から作り直すことを決断します。こうまでして最上を目指し、栽培家の指揮のもと、いまのケンゾーエステートになる下地が出来ていきます。

三国志の劉備が諸葛亮を三顧の礼で迎えてから飛躍したように、一人のキーパーソンが今後を大きく変えることは良くありますが、ここに商魂が見えますよね。

ここまでしてよいものを作る、商魂たくましいと言うよりもう商魂おばけ!歴史に触れることで商品が好きになり、勉強にもなる。愛着も沸くし、勧める言葉に心も乗ると、もしかしたら飲みたい人も出てくるかもしれない?ちなみに余裕でボトル1万円は超える値段です(笑)ここで商売の話は別としてこうして広がっていく事業も素敵だと思います。

自分達に置き換えると

「全ての学歴、職歴、人脈を捨てて未知の土地で商売をしろ」と言われているようなものですね。

かなりおこがましいですがN2も実は似ていて、高校卒業後は函館には休暇の時くらいしか帰らず、大学で勉強した分野は使わず、10年越しに帰ってきて函館の繁華街は何も知らず、仕事もうまくいかないと困った状況でした。

バーテンダー経験はあったものの、いざ居抜きでバーを開き、1から人脈や取引先を開拓していくのってなかなか体験できないぶん楽しいです。

親の知り合いや昔からの友達はまだ少しいたのと協力者が初めからいたのでだいぶイージーでしたがいざやるともう大変でした。商魂もない商才もないなら人柄とちょっと知ってるワインで勝負するしかなかったのですがいまではなかなか面白い繋がりが出来たのは立派な財産です。

これもより良い店を作るために考えた方法のひとつですが、バーでお酒を出すことに100%の力を発揮して世界でひとつのカクテルを作るよりは、まずは函館のバー利用人口を増やすことに注力して事業の基盤を築く、展開はそれからでも遅くないことが分かりました。

とはいえ2022年はもうウォーミングアップ期間はもう終わったのでここから黒字転換できるようにしていかなければなりません。商魂をがつがつ出していかないといけませんね(;’∀’)

まとめ

一番良い店でなければ見向きされない。これにつきますね

函館で一番良い店と書けば抽象的ですが、まずはN2を知ってる人には一番でありたいし、そこからくる新規の方にも函館にこんなに良い店があったなんて!と言われるくらいになりたいですね。2022年の抱負です!

ということで新年最初はポジティブなブログにしました(笑)