
こんばんわ。
久しぶりの更新ですが、気になった記事があったので今回は少し時事ネタに触れていきます。
11/23㈭に掲載された日本生命の飲みニケーションに関する調査結果の記事で
飲みニケーションは「不要」が初めて「必要」を上回ったという結果が出ていて話題になっています。飲みニケーション推進派としては見逃せない記事ですね(#^ω^)
日生HP
まずはアンケートの内容から
調査は10月1~13日にネット上で実施し、男女7774人が答えた。
調査対象母集団は20代434人、30代1021人、40代1619人、50代2400人、60代1560人、70代以上740人。これは函館の問題点でも触れましたが、低所得であろう若い層からの回答が少ないですね。
該当設問では、年齢階層別の必要・支持派の割合は
20代…33.9%
30代…39.8%
40代…37.5%
50代…39.7%
60代…36.4%
となり、意外にも中年から高齢層でもあまり支持されていない実情。
男女別では
男性…44.2%
女性…32.1%
と、女性の方が必要でない人が多い。
なお職種別では公務員が51.8%、経営者・役員が49.1%、正社員41.1%、自由・自営業37.9%、契約社員など36.1%、アルバイトなど29.0%。安定した職の地位にある人の方が必要派が多いようです。飲みニケーションが不要だと答えた人は全体の62%で、内訳は「不要」が37%、「どちらかといえば不要」が25%だった。不要と考える理由は「気を使う」が37%、「仕事の延長と感じる」が30%。
参照twitter 不破雷蔵氏
まぁ見事にブラック企業大国の縮図と悟り世代の価値観がミックスした結果といった感じですね。
さて、この結果を踏まえ、お酒を扱う側の目線で少々本音を書いていきます。
飲みニケーション文化

飲みニケーションといえば飲み会に絡めた造語として日本で定着してきました。特に会社の同僚、上司と行く定期的な飲み会で新年会、送迎会、歓迎会、花見、納涼、お祭り、クリスマス、忘年会とイベントが多いうえに組織で活動している会社員は特に参加機会は年中詰まっていますよね。
今回の記事では「会社の飲み会というシチュエーション」を「飲みニケーションの場」と定義して進めていきます。私は飲みニケーション推進派(自称)ですが、参加する側でも好きだし、企画、調整するのも好きでした。
自衛隊時代の飲み会はビールが空になる時間がほぼないくらい注いで注がされの阿鼻叫喚な飲み会だっとはの覚えています。現在行っている即応予備自衛官でも対して変わってないのでTHE体育会系の飲み会の荒れ具合は楽しくもあり、戦争でもあります。
ただ、私は日本人気質が嫌いなので、乾杯ビールの流れで一人だけ赤ワイン頼んだり、必ず上司、先輩にお酌に行くわけではありませんし、無礼講と言わんばかりに先輩をいじったり、酔っぱらって無様な姿を晒したことを翌日以降も笑いつづける悪い酒飲みです(笑)
元からお酒が強いこともありますが、総じて不快な飲み会は記憶にないくらい出会っていません。
これが現代の若い世代の価値観も古い日本から変わってきたものだから、会社の同僚と飲むことが仕事に近い緊張感に感じてしまい、お酒は楽しくない=飲み会の参加辞退というお酒離れの流れが出来上がりました。
推進派としての見解ですが、何はともあれ飲み会には参加した方が良い!は絶対的な意見です。ただ、参加したうえで上司、部下それぞれのこうしたほうが楽しく飲めるんじゃないかな?というアドバイスはあります。
が、今回は不要論に一石投じてきます。
飲みニケーションを不要という人は○○い!

不要と回答した人の意見で一番多いのが気を遣う36.5%次いで仕事の延長と感じる29.5%
必要と回答した人は「本音が聞ける」「距離が近くなる」「悩み(相談)が出来る」と答えていきます。
全ての回答を載せているわけではないと思いますがこれらの回答だけで世論が若干加熱している模様。発表されている調査結果だけの内容から、現役バーテンダーが不要と答えた人やこの記事を見ているあなたに言わせていただくと
不要と考えるのはもったいない!がもちろん古い日本式飲み会も時代遅れ
まず、何がもったいないかを部下目線、上司目線で考えていきます。
部下、年下の飲みニケーション力が弱い

若い層の回答は少なかったですが、20代で飲みニケーションを不要と考えるのは非常にもったいないと言わざるを得ません。
必要と答えた人≒年齢が高い接待される側の世代は「コミュニケーションをとれる、距離が近くなる」と考えて飲みニケーションを図ってきているという前提で進めると
話してくれれば上司も聞きますよという証左だと思います。相手からウェルカムで来ているのだから話さなければそもそも損ですよね。これはゲームやスマホが流行り、実際のコミュニケーション能力が不足している若い層には難しい事かもしれませんが
わざわざ向こうからハードルを下げてきているのに気を遣っていたり、仕事の延長と考えていたらチャンスを逃していることに他なりません。そして、自分のコミュニケーション不足を棚に上げて
(上司が)仕事の話ばかりでうざい、義務感で参加して楽しくない、仕事場と一緒、上司、同僚が苦手
と飲みニケーションから逃げる若い層は恥ずかしいくらいダサいと感じます。
千歩譲って初めは同期や友達から始めるのがベターでしょうが、所属している組織の飲みニケーションが逆効果になっているのは誰かの何かが不足しているからです。20、30代が不要と思う理由のなかから少し分析していきましょう。
不要な理由で次いで多かったのが拘束時間が長いとお金がもったいないですね。さらに必要な理由で情報収集出来るからがかなり低いです。
つまり若い層は”飲み会をただ、酒を飲んで話すだけの場としてしか活用していない”人が多いということになります。それは純粋なお酒とおしゃべり好きしか楽しく感じませんよね。
お酒の場で得られる情報はかなり多いです。人間関係、仕事関係、趣味嗜好、好物まで人に歴史あり。こんなに優れた情報収集の場はありません。古代より情報は何よりの宝とされています。
かの孫子も彼を知り己を知れば百戦危うからずと言っています。
(相手の力量と自分の力量を知っていれば戦っても大負けはしない)
そんな上司の普段知れない情報がぽろっと出てきやすいボーナスステージで話をしないで
上司の好きなお酒、食べ物、アーティスト、マイブームこれらを知れるだけで人間性まで見えてきますよね。それを「聞く」だけ。バーテンダーも聞く専門の職業であると思っています。
上司のくっだらない武勇伝とか仕事に対する愚痴を聞かされるのは非常に苦痛ですが、相手が話したい領域の話題に持っていくのは若干スキルが必要です。それを鍛えるために飲みニケーションをするのでは?考えようによってはスキルアップするための副業みたいなものです。
逆に若い層で必要な理由に「相談が出来るから」というのは二番目に多いのです。上司はそこを汲んで、自分のことばかり話すのではなくて部下の意見を聞くことも求められてきます。
飲み会嫌いを完全に好きにさせることは同席しない限り難しいでしょうが、バーで気の合う仲間やマスターと飲みニケーションの練習をするのはいいかもしれませんね。必要ならいつでも伝授します。
上司の昭和脳は○○い

さて、本題?(笑)書き甲斐のある40代~60代です。
飲みニケーションのノウハウがわかってきたと錯覚しており、部下、上司から板挟みになりがちな40代の「ストレス発散になる」が第3位です。非常に危険ですね(笑)
課長クラスが部長、社長に詰められ、その鬱憤を部下を叱ることで晴らす。アルコールハラスメントとは?と聞かれたら百点満点の解答だと思います。
こういう飲みニケーションを現実にとっている人が多いから上司とのお酒が嫌われて埋まらない溝が生まれます。
大前提ですが、若い層に話していて、本当に吸収できる有用な情報でもない限り、過去の武勇伝や自慢話、仕事の実績ですら半分以上右から左に流されています。
聞き上手のさしすせそという闇が深いワードがありますが
さすが!知らなかった!すごい!センスある!そうなんですね!
という返事が返ってきていたら聞き流されてよいしょされているだけの可能性が高いです。
本当に興味があればもっと詳しく聞かせてください!となりますが現実はほとんど必要ない話であったりします。
これを勘違いして「私はコミュニケーションがとれている」「距離が近づいている」「話し上手」と考えてしまったらアルハラモンスターが誕生することでしょう。
さらに上司の「部下の本音が聞きたい」とかもどうでもいいことが多いです。今の若い層は良くも悪くも割り切っているので会社内の心証より自分の時間やお金が大事と考える人が増えているので無駄な時間に無駄なお金を使っているのはかなりストレスが溜まるでしょう。
しかも本音を話して上司の琴線に触れたら不快になること間違いなし。本音を話している様で話していないこともあるはず
「本音で話してみろ」と言って話す人は少数でそれを聞いて本音が聞けたと錯覚するのはただの「聞き下手」。この聞き下手はかなり致命的、自分がガンガン話してストレス発散してる昭和脳上司はかなりダサいです。
自分が話したら相手にターンを渡して今度は聞く側に回る。この会話の攻守交代が出来ずマシンガントークをかましたり、一方的にうんちくを語るだけの上司はお酒の席以外でも勘弁願いたいですね。
ただ、部下には嫌がられても例外的にバーのマスターにはマシンガントークをしても良いと思います(笑)
飲みニケーションの場では気を遣う重要性が高いのは若い層ではなく中間層である場合がほとんどです。その後、若い層と打ち解けたらいくらでも気持ちを引き出せるようになります。それまでは部下を接待するくらいの気持ちが必要かもしれません。
言い換えればそれが日本人の上司に圧倒的に欠けているマネジメント能力なのです。
部下を管理して、環境を整え、最適な能力を奮ってもらう。これを達成するため、もしくは部下をより知るために飲みニケーションが役に立つのは間違いありません。
部下の情報をどれだけ知っているのかは管理する人間に必要不可欠な能力です。
学生時代は何を学んでいたのか。就職や転職をしてどんな仕事をしてきたのか。いま打ち込んでいることは何なのか。これからの夢はあるのか・・・聞いたことありますか?
部下のマネジメントの時間=飲みニケーションと捉えて関わってくれる上司になら私は心酔するでしょうし、何時間でもどんなことでも話せてしまいますね。
少なくともこの記事を読んで考える人はいるはず。N2に来ていただければそういった部下への接した方はかなりアドバイスできると思います。お酒がメインの業界で仕事をしているので良い飲みニケーションについて教えられることは多くあると思っています。
そもそも飲みニケーションが必要なのか

根本的な話ですが、日本人は宴会やお祭りが大好き!イベント、祭事ごとに飲み会が開かれる組織はありますが日本以外の国からはどう見られているのか?
今では日本も多国籍な国になり各国の文化と比べられることも多いですが
「飲み会」・・・夜に集まってお酒を絡めて飲食する会合
はお酒を飲む文化が少ない国からはとても珍しがられ、親睦が深まって新鮮でとても良いと言われることもあれば、回数が多くてうっとうしいと感じる国の人もいるようです。
反対に労働生産性の高いアメリカからすれば必要ないかやったことないと言われるとか
飲みニケーションではなくホームパーティで仲の良い人とだけ飲む場合が多いことも挙げられますが
「なぜ、お酒の席にまで仕事を持ち込むのか?会社内でコミュニケーションがしっかりとれていれば必要のない無駄な事だよね」
はい、仰る通りだと思います(笑)
飲みニケーションを介さないと本音が聞けない話せないって
「社内でコミュニケーションが不足してるからお金と時間を使って聞き出す」
というめちゃくちゃ非効率なことをしているわけです。しかも目的が達成できないどころか逆効果なことが多いから今回のアンケート結果になっていますよね。こういった飲みニケーションは正直あまり必要とは感じません。
アルコールが入ると人は陽気になって気持ちが大きくなり、普段言えないようなことも話せるようになります。これをお酒の力と僕は言っていますが
多くの、特に上司がお酒の力の使い方がずれているし使いこなせていない。逆に考えればそれらが出来ていれば最適な飲みニケーションと言えるでしょう。
この最適な飲みニケーションが完成しないことには若者のお酒離れは進み、意味のあまりない無駄な飲み会を繰り返すことになります。
部下を持つ上司のみなさん。あなたの飲みニケーション力が今後、部下がお酒を好きになるか嫌いになるか別れるキーとなります。コロナで落ち込んだ外食文化の促進のためにも頑張りましょう!
またこのようなアンケートがあったら「必要」と全世代が言えるようになって、お酒を飲むときは楽しくある時が当たり前に浸透してほしいですね。部下の方から気軽に上司に、今夜飲みに行きませんか?と誘える状況ってすごい信頼されてる証拠だと思います。
そんな時はぜひバーを利用してほしいですね。仕事の話になっても第三者視点のマスターが変わった観点からアプローチ出来たり、飲みすぎを防いだりと悪い方向にお酒の力が働くことを防ぐことが出来ます。それだけでもバーに来てみる価値があると思いませんか?
・・・とヒートアップしてきたので今回の記事はこの辺で終わります(笑)お酒の力の使い方に関しては続編を書いてみたいと思っています。
まとめ
結論と言うより持論ですが、現役バーテンダーに言わせてもらえば、飲みニケーションは必要。だけれどもほとんどが悪い飲みニケーションになっていることは注意してほしいですね。
それを良い方向に持っていくには若い層より上司である中間層がコントロールする必要があります。方法やコミュニケーションは今回書けませんでしたがいずれ書いてみたい題目です。
さて、11月末が過ぎ少し落ち着いたのでまた書きたい事をふらっと書いていきます。函館も雪が降って外に出たくなくなる季節ですが暖かいアルコールやおつまみを用意してお待ちしていますので気軽に立ち寄ってくださいね!